根管治療の2つの取り組み方
根管治療には2種類あることをご存じですか?
根管治療には「抜髄」と「感染根管処置」の2種類の治療方法があります。どちらも神経管の中をきれいにする治療ですが、その意味合いと治療成績は異なります。この2種類の治療法の違いについて詳しく見てみましょう。
-
1
抜髄
虫歯が深くて神経まで達したことにより神経を取らなければならない「抜髄」です。
抜髄の場合は、神経をしっかり取り、細菌感染を起こさない環境を作ることが大事ですが、裏を返せばそれらをしっかり行うことで、成功率は95%以上でなければならないのです。しかし、日本の成功率は50%に満たないというのが現状です。 -
2
感染根管処置
抜髄治療をしたが、その処置が上手くいっておらず再発してしまった場合や抜髄をせずに放置した結果、細菌感染が広がってしまったのが「感染根管処置」です。感染根管処置は、根管内に何億という数の細菌感染が起こっている時の処置ですので、治療をスタートする時点で、成功率は抜髄に比べ10%下がると言われています。
さらに、細菌感染は、奥の奥まで達している時やさらに根管内に留まらず根の外側にまで達することもあります。
そのため感染根管処置は、難しい治療と位置付けられており、「治療しても治らないから抜歯してインプラントにしましょう」と言われる所以(ゆえん)になっています。
上記成功率だけを見ていると、治らないのかな…と、不安に想う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、根管治療を得意としている歯科医師または専門医が治療をすれば、高い成功率を得ることができます。
治療を諦めるのではなく、自分の歯の状態に合った治療をしっかりと受ける事で、多くの歯を残すことができるのです。
根管治療の流れ
-
STEP1
初回来院時(90分)
口腔内検査、レントゲン撮影、カウンセリングなどを行います。
-
STEP2
根管治療(90分)
根管治療は通常2~4回で終了します。
-
STEP3
経過観察〜定期検診(30分)
根管治療終了後は、定期検診(3か月・6か月・1年)を行って、治療状態を確認させていただいております。
動画で見る根管治療
-
根管治療の施術
-
破折ファイルの除去
-
破折ファイルの除去
-
根管治療後に必要な歯のメインテナンス
根管治療の症例紹介
他院で根管治療した歯の再根管治療
- 年齢
- 37歳
- 性別
- 女性
- 主訴(症状)
- 咬むと痛む、歯茎も腫れている
- 治療内容
- 再根管治療
- 治療期間・回数
- 4回
- 費用
- 15万円
- 備考
- 左下の一番奥の歯が一度根管治療している歯ですが、歯の根の先に病気(黒い影)があります。被せ物を外して再根管治療を行ない、病気の改善が見られるケースです。