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一昔前は猫も杓子も「インプラント」と言われていましたが、現在は振り子の現象とでもいいましょうか多くの患者様が、ご自身の歯を出来るだけ残したい、どうにかならないかといらっしゃいます。
確かに自分の歯に勝るものはなく、私自身も天然の歯をどうにか長く残せないかと日々研鑚を積んでいます。その中で、歯の保存に直結するのが、やはり「根管治療」になります。根管治療を始めて行う時というのは、だいたい虫歯が深くて神経まで到達したことにより痛みが出たので、神経を取る・抜くという時です。しかし、その処置が上手くいかなかったので、根の先に病気が出来て2回目、3回目の治療へと進むわけです。そして、最後にはもう保存は無理です。抜歯してインプラントにしましょうとなる訳です。抜歯に至る前に何度となく保存できるチャンスはあるのですが、多くの歯医者さんではそれが出来ないのが日本の現状です。
そのことに気付き始めた多くの患者さんが、全国にまだ数百件しかない我々と同じようなクリニックに駆け込んでいるのが今の現状です。
今回の患者様も他院で2度ほど根管治療をしたそうですが、治るどころか悪化したとのことで、来院されました。
見てお分かりのように銀歯の上の歯ぐきがニキビのように腫れて膿が出ています。
さらにレントゲン写真を見ると以前の治療器具が折れて中に残っています。
根の病気も予想通り大きい状態です。
こんな悪条件であれば、確かに多くの歯科医師は抜いてインプラントと言うのでしょう。
しかし、今回私は、外科処置のオプションを用意しながら根管治療に再チャレンジしました。破折器具は、ポイントを上手く探りながら何とか取り除くことができ(結構難症例でしたが・・・)、根管充填も上手く行うことができました。
しかし、
歯ぐきの膿の袋が消えません(泣)
今回の症例は、最初から外科処置が必要な病気だったと思われます。そこで、外科的歯内療法の出番です。
奥歯の外科的歯内療法は結構難しいのですが、えんやこ~ら~とがんばったところ、膿の袋は消えてくれました。
手術後6ヶ月のレントゲン写真ですが、経過は良好です!
このように、根管治療も外科処置まで見据えて行えば、抜歯と宣告されているケースでも残すことは、可能な場合もあります。(いや、結構あるかも・・・)。
なので、
患者様、皆さんまだあきらめないでください。頑張って探せば、助けてくれる歯医者さんは見つかると思いますよ。