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根管治療は、日本においてまだまだ日の当たらない地味な治療なのですが、アメリカにおいては専門医を育成する大学院の入学倍率が1番高い分野であり、歯科医師に1番人気がある診療科目と言っても良いかもしれません。
そんな根管治療の精度は、アメリカと日本では天と地ほどの差があります。
そこで、アメリカの根管治療の診療形態のセミナーを数多く受講し、その流れの治療を日々実践している私から皆さんに根管治療の最初の一歩のポイントを今日はお話させていただきます。
根管治療の最初に手間かけろ!
実は、これが1番難しいのかもしれませんが・・・・
次の写真は、私の根管治療の最初のステップです。皆さんは、このような処置を受けていますか?
こちらの患者さんは、かぶせ物と歯肉の境目が露出し、そこに虫歯が出来ています。前医でかぶせ物を入れた当時神経を取る処置もしていますので、今回が2度目の根管治療となります。
かぶせ物を外すとやはり中ではむし歯が広がっていました。
さらに中の土台の金属を外すとむし歯はもっと広がっていました。
むし歯が歯肉の下にも及んでいましたので、電気メスで歯肉を切って、歯と歯肉の境目から出てくる浸出液をブロックするために歯肉圧排をして、むし歯を取り除きました。
そして、レジン(樹脂)で隔壁(根管の汚染防止&補強)を作って仮封(仮り蓋)をしました。
ここまでひと手間どころかふた手間ぐらいかけていますが、実はこれでやっと根管治療が出来る準備が整ったところなのです。ここまでに要した時間は約1時間。
通常でも30分~1時間ぐらいかかります。
この手間があるかないかで、だいぶ結果は変わってきます。
根管治療は、バイ菌を取り除く言わば“引き算の治療”ですので、治療中に根管がバイ菌感染しては元も子もありません。なので、先ずは見えるところはしっかりむし歯を取り除き、その後再感染しないように隔壁を作る必要があります。そうすれば治療中のラバーダム防湿(←これ1番重要!)
がしっかり出来ます。
そうして初めて根管の中のバイ菌と対決出来るのです。
皆さんは、この最初のひと手間かけてもらっていますか?
これが出来ていない治療を受けている方は、その結果にはあまり期待しないほうが良いかもしれませんね・・・・(泣)
しかし、これは歯医者さんが悪い訳ではありません。保険制度としてこの処置が組み込まれていませんので、保険適応外なのです。なので、やらない。保険の解釈の仕方によっては変わるのかもしれませんが、周りの歯医者さんを責めないでください。だって、お国の制度には逆らえませんので。
そうなると、
患者さんは、治るかわからないor治るかも?しれない治療をうけるか、治すために最善の策を講じてくれる治療を受けるか患者さん自身が選択しなければならないのです。
知らなければ良かったと思わず、皆さんもご自身の病気と向き合いしっかりとした治療を受けていただけることを私は望んでいます。そうすれば自ずとご自身の歯を長持ちさせることが出来ますので・・・・。
今回のお話が、皆さんに良い結果をもたらすことができれば幸いです。
しっかり、向き合いましょう!
たかデンタルクリニックHP http://www.taka-dc.com/
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